第7章 うなれ体育祭
そんな事をもんもんと1人、教室の隅で悩んだがいくら考えても結論は出ないと思ったので気持ちを切り替え、百ちゃんと一緒に食堂でお昼ご飯を食べに行こうとした時だった。
「言少女がいた!!」
教室を出て廊下を百ちゃんと歩いていた時、高らな笑いを発しながらオールマイト先生が物凄い勢いで私たちの前に現れる。
『どうしたんですかオールマイト先生?』
「ごはん…一緒に食べよ?」
私は急いでいるオールマイト先生の様子を見て何か緊急事態でもあったのかなと声をかけるとそんな予想は外れオールマイト先生はキュルンと脇を閉めて、さりげなくお弁当を出してきた。
『えっ、大丈夫ですが…』
私は一瞬返事に戸惑ったが間を置いて首を縦に振り、百ちゃんに「お昼はまた明日一緒に食べよう」と伝えてオールマイト先生の後を着いて行った。そしてオールマイト先生に連れられ到着したのはこの間の仮眠室だった。
『あれ、緑谷くんだ』
そして仮眠室の中に入ると部屋の中には緑谷くんが膝に手を当てちょこんと椅子に座っていた。
「言さん!」
『緑谷くんがいるってことは”秘密”についての話ですか?』
「まぁそんなところだ!察しが良くて助かるよ!まあ立ち話もなんだ座って座って!」
オールマイト先生にそう言われ、私は頭を下げて緑谷くんの隣に置かれている椅子に腰掛ける。
「まぁ、単刀直入に言うと私の活動限界が50分前後になった」
「50分前後…!!?」
『短い、ですね…』
オールマイト先生はお茶を湯のみに注ぎながらUSJ事件での無茶でマッスルフォームでの活動時間が短くなってしまった事を私たちに伝える。
「ああ…無茶が続いてね。マッスルフォームはギリギリ1時間半くらい維持出来るって感じ」
「そんなことに……ご…」
「謝らんで良いよ!全く似たとこあるよな君と私。それより体育祭の話だ君まだ”ワン・フォー・オール”の調整出来ないだろ、どうしよっか」