第6章 ヴィラン襲来
飯田さんが先生達を連れて来てくれたおかげでヴィラン連合を名乗った死柄木弔や黒霧達を捕まえることは出来なかったが撤退に追い込むことはできた。先日起きたマスコミ襲撃事件からのヴィランの襲撃事件。侵入だけならまだしも建物の損壊や生徒・先生達に傷を負わせたこの出来事はプロヒーローである先生達でさえ戸惑いを隠せていなかった。
「プロヒーローか…ここにこれだけ集まれるって事は学校全体に仕掛けて来たってことじゃなさそだ」
「緑谷ぁ!!大丈夫か!?」
「切島くん…!」
切島さんは足が折れ、動けなくなっている緑谷くんに声を掛けて助けようと傍に駆け寄ってくるがそれも今は非情にも喜び難い状況である。緑谷くんの目の前にはマッスルフォームが完全に解けてしまい、今はトゥルーフォームの姿になってしまったオールマイト先生が立っているのだ。このまま彼が緑谷くんの傍に行ってしまってはオールマイト先生の秘密がバレてしまう可能性がある。
(そっちは…だめ…)
「待っ…!!」
慌てて切島さんに静止を促そうとする緑谷さんの声をさえぎって私は口を動かす。
『[壁]っ……』
「うお!何だ!!?」
切島さんの目の前に個性で壁を作りオールマイト先生の姿を何とか見せないようにした。突然個性を使った私に爆豪さんは怪訝な表情を向けた。
「………おめぇ…」
「いい判断だね八百万言さん。生徒の安否を確認したいからゲート前に集まってくれ、ケガ人の方はこちらで対処するよ」
「そりゃそうだ!ラジャっす!!言もありがとな!!」
切島さんは太陽の様な笑顔で私にお礼を言う。私も彼のお礼に笑顔で答えるが
『ど、いたしまして………』
「おい!」
そこで私は緊張の糸が切れたのか気を失った。