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【ヒロアカ】folklore

第6章 ヴィラン襲来



その後、オールマイト先生は己の限界と戦いながら、まるで漫画や映画ような…現実では信じられないような猛攻を繰り広げて脳無をUSJの外に吹き飛ばした。


「……漫画かよショック吸収を”ないこと”にしちまった…究極の脳筋だぜ」

「デタラメな力だ…再生もまにあわねえ程のラッシュってことか…」


今しがた目の前で繰り広げられたオールマイト先生の戦いに皆ごくりと息を呑む。そしてこれがプロの世界なのだと、ヒーローの卵である私たちは声を失うほどに痛感させられた。


「やはり衰えた、全盛期なら5発も撃てば充分だったろうに300発以上も撃ってしまったさてとヴィラン、お互いに早めに決着つけたいね」

「チートが…!衰えた?嘘だろ…完全に気圧されたよ…よくも俺の脳無を…チートがぁ…!全っ然弱っていないじゃないか!”あいつ”俺に嘘教えたのか!?」


主犯格の男は顔に張り付いた手から鋭い睨みを覗かせ、首を仕切りに掻きむしる。


「………どうした?来ないのかな!?クリアとかなんとか言ってたが…出来るものならしてみろよ!!」


ここにきて後込み始めるヴィランの一瞬の隙を付くかのようにオールマイト先生はヴィランに向けて鋭い眼光を放った。そしてそんな剣幕に圧倒されたヴィランは怯み、声を上げた。


「さすがだ…俺たちの出る幕じゃねぇみたいだな…」

「緑谷!ここは退いた方がいいぜもう却って人質とかにされたらやべェし…」


───違う…あれはオールマイト先生の精一杯の虚勢。土埃に紛れて分かりにくいが前に1度見せてもらったマッスルフォームからトゥルーフォームに戻る時に体から吹き出す蒸気が少しずつ出てきている。多分緑谷くんもそれに気がついているはず…


「主犯格はオールマイトが何とかしてくれる!俺たちは他の連中を助けに…」

「緑谷」


その秘密を知るわけもない切島さん達はこれ以上ここにいても自分たちの役割は無いだろうとオールマイト先生に背を向けて、まだ無事を確認できていないクラスメイトの救助に向かおうとする。そして轟くんが緑谷くんの名前を呼ぶが緑谷くんはそれに気づかず、ただ一点を見つめて口を止めることなく小さな声で呟いていた。




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