第6章 ヴィラン襲来
『いっ…』
私は痛みと共に目を開ける。先程爆豪さんが脳無に攻撃されると思った時につい体が飛び出してしまい爆豪さんを押しのけて代わりに脳無の攻撃を受けてしまったのだ。しかしその瞬間、オールマイト先生は私を抱え咄嗟に脳無の攻撃から軌道を逸らし護ってくれた。あの時オールマイト先生が私を助けていなかったら私は今頃死んでいただろう。
(あぁ、痛いなぁ…視界がボヤける…爆豪さん大丈夫だったかな?痛い、頭クラクラする右の頭とお腹の感覚がないなぁ…)
「緑谷少年!言少女を頼む!!」
「…っはい!!」
オールマイト先生は緑谷くんに声をかけ私の傷が痛まないようにゆっくりと体をおろしてくれた。そして緑谷くんの肩を借りて弱々しくも地面に足をつける。微かな視界の中に映る緑谷くんを見つけ喉の奥から絞り出すように声を出す。
『緑谷くん…私、今どうなってる…?』
「言さん!あんまり喋らないでっ!頭とお腹から血がっ…!」
「おい!しっかりしろ言!!」
「出血がひでぇ早く止めねぇと!」
緑谷くんは慌てふためきながらもしっかりと私を支え、切島さんは優しく声をかけてくれる。轟くんは予め所持していた包帯などを取りだし、軽い応急処置を施してくれた。そして、そんな3人から少し離れた場所にいた爆豪さんは何故か顔を地面に向けており、その顔色を伺うことが出来なかった。
「…おい」
少しの間を置き、顔を俯けながら強く地面を踏み締めて歩み寄ってくる爆豪さん。そして彼は私の肩を掴んだ。