第6章 ヴィラン襲来
「なんか緑谷の様子、変じゃねえか?」
「オールマイトォ!!!!!」
轟くんがそう私に伝えた瞬間に緑谷くんが先程まで自身が抱えていた相澤先生を蛙吹さんに預け、脇目も振らずオールマイト先生目掛けてヴィランたちに飛び出して行ったのだ。
『緑谷くん!』
「まじかよあいつ…」
緑谷くんが飛び出して行った先には黒いモヤの男が現れる。
もう駄目だ…そんな考えが頭を過ぎった瞬間────
「どっ!!け邪魔だ!!!デク!!」
緑谷くんの目の前には先程まで私たちとほぼ同じ距離にいたはずの爆豪さんが現れる。彼は黒いモヤに攻撃を仕掛け、相手が怯んだ隙をついて力いっぱいに地面に押さえつけた。そして私と轟くんもほんの僅かな時間差でセントラル広場に到着した。
「てめぇらがオールマイト殺しを実行する役とだけ聞いた」
轟くんはそう言ってオールマイト先生を捕らえていたヴィランの半身を音をたてながら個性で凍らせた。
「だぁー!!!」
『[岩]!!』
そして私と切島さんはすかざず、体中に手が沢山貼り付けられている男に攻撃を仕掛ける。が、男は軽々と避け私たちの攻撃は不発に終わった。
『オールマイト先生!大丈夫ですか!?』
「くっそ!!いいとこねー!」
「スカしてんじゃねえぞモヤモブが!!」
「平和の象徴はてめェら如きに殺れねえよ」
「かっちゃん…!皆…!」