第6章 ヴィラン襲来
「初めまして我々はヴィラン連合。僭越ながら…この度ヒーローの巣窟雄英高校に入らせて頂いたのは平和の象徴オールマイトに息絶えて頂きたいと思ってのことでして」
『!』
私たちの目の前に現れた黒いモヤの男はヴィランらしからぬ、礼儀正しい丁寧な自己紹介を始め淡々とこの奇襲の目的を口にする。特に「オールマイトに息絶えて頂きたい」と言う単語には他の人とは違う意味合いも含め私と緑谷くんが大きく動揺を示した。
(このタイミングでの奇襲…まさかとは思うけど、ヴィランはオールマイト先生が弱っていることを知っている…?!)
「本来ならばここにオールマイトがいらっしゃるハズ…ですが。何か変更あったのでしょうか?まぁ…それとは関係なく…私の役目はこれ」
そうして黒いモヤの男がゾワッと殺気を放つ。その男の雰囲気の変化を見逃さなかった13号先生は個性を発動させる為に指の蓋をポコッと外すが、それと同時に切島さんと爆豪さんが黒いモヤの男に攻撃を仕掛け13号先生の前で立ち止まる。
「その前に俺たちにやられることは考えてなかったか!?」
「危ない危ない…そう…生徒といえど優秀な金の卵」
「ダメだどきなさい2人とも!」
13号先生の焦りが含まれた声に2人がバッと振り返る彼女は個性を発動させる準備は出来ていたのだが彼女の目の前には切島さんと爆豪さんが立っていた為、個性を発動させる事が出来なかったのだ。
「私の役目はあなた達を散らして嬲り殺すこと!!」
そしてその隙をヴィランが見落とすはずもなく黒いモヤの男は黒い霧を広範囲に出現させ、私たちはその黒い霧に包み込まれてしまう。
「皆ぁぁ!!!!」
私たちの視界が真っ暗になる中で飯田さんの悲痛な叫び声だけが聞こえた。