第5章 慣れてきた時こそ
『えっと…私の個性は”言霊”で、簡単に説明すると言葉を具現化できる個性だよ』
私は突然の轟さんの質問に内心驚きながらも出来るだけ分かりやすく説明する。
「やっぱり八百万と似てるんだな」
『まぁ…”家族”だからね?』
「そうか…」
何故か轟さんの顔が少し険しくなる。多分だが”家族”と言うワードが地雷だったのだろう…彼も、色々と抱えているのかな。
『それにしても何で私の個性なんか聞いてきたの?』
これ以上詮索するのは良くないと判断し、彼の地雷ワードは心の中で留めておくことにした。そして轟さんが私の個性を聞いてきた理由を伺う。
「こないだの戦闘訓練や個性把握テストの時にお前の個性見てねぇから気になった」
『なるほど』
確かに雄英に入ってからはまともに個性を使っていないかも。個性把握テストでも一応使ってはいたが、百ちゃんの様な大きな記録も出さなかったので轟さんの目には入らなかったのだろう。
「もう1つの理由としてはあの八百万の妹って聞いたからどんなもんなのかってのも気になった」
『あー…私は百ちゃんの下位互換みたいなものだから百ちゃんみたいに全然優秀じゃないの』
私はヘラッと作り笑いをしてそう応える。
「…そうか。それで、その個性もっと詳しく言うと何が出来るんだ?」
『えっと、例えばだけど壁とか岩と言ったものは簡単に出せるけど絆創膏とか人の手で作られてるのは基本的に【インストール】をするか、事細かに口にしないといけないのね』
「インストール?」