第5章 慣れてきた時こそ
『ば、爆豪さん!どうして…』
「うるせぇ!黙ってろ!!」
『あっはい』
私が爆豪さんに声をかけると彼はいつも通りの横暴な口調で私の質問を遮った。私はそんな彼の勢いに何も言えず、彼の言う通りそのまま黙りこくってしまった。
(中身はあれでもやっぱりヒーロー目指してるんだよね…)
そして未だに突破された原因が分からず、学校側からのアナウンスも放送されないため生徒は皆パニックに陥っている。
そんな時──────
『──っ!!』
私は突然の動悸と耐えられない程の頭の痛みに息を荒くしてズキズキと痛む頭を抑える。
(本来であれば今はお昼を食べ終えていつもの”薬”を飲んでいる時間。ましてや今日はその”薬”を朝飲み忘れた…)
「おい、どうした」
『っ…爆豪…さ、ん…ごめん…薬……』
「あ゛!?聞こえねぇよ!!」
駄目だ上手く喋れない…
「皆さん…大丈ー夫!!」
そんな時、食堂の先にある廊下から大きな衝撃音と飯田さんの叫ぶ声が聞こえてくる。そしてその記憶を最後に私の意識は途絶えた。