第24章 始まりの終わり 終わりの始まり
『ありがとう爆豪くん。もう大丈夫!タオルは洗って返すね』
「なら寝ろ」
『えっ、大丈夫だよ?部屋に戻って寝るから…』
「ここで寝ろ」
『ええ…強制…?』
私は爆豪くんの暴君ぶりに困惑の表情を浮かべる。
「帰る時に倒られちゃ困る。だからここで寝ろ」
『なら爆豪くんが部屋まで送ってよ』
「誰がんなめんどくせぇ事するか」
『なんて我儘な』
そう言うと爆豪くんは何事もないかのようにベッドに入って来る。
『え?!ば、爆豪くんなんで…!』
「俺のベッドだ。なんでもクソもないだろうが」
『いや、そうなのだけれど…!私床で寝るから大丈夫だよ…!』
「ふざけんな、ナメてんのか。いいから黙って寝ろ」
結局爆豪くんの圧に押し切られ、私は背中を爆豪くんに向ける形で横になり爆豪くんは私を抱きしめるように布団をかぶった。もう色々とツッコミたいところがあるのだがこれ以上話しかけると爆破されかけないので言いたい言葉をグッと飲み込んで心を落ち着かせる。
「1つ…聞きてえ事がある」
『何?』
(さっき黙って寝ろって言ったのに……)
私に黙って寝ろと言ったばかりなのに話し掛けてくる爆豪くんに少しばかりの疑問を抱きながらも返事をする。
「……神野ん時の、クソヴィランの話…」
『あぁ…養子娘の話?うん、本当だよ』
爆豪くんが歯切れ悪く聞いてきた話に私はえらく冷静に返事をした。彼もここまで直球で返されると思っていなかったようで動揺したようにピクリと体を動かす。
『私と百ちゃんは血の繋がりは無いし…お父様ともお母様とも無い。…捨て子なのも本当』
「…そうかよ」