第24章 始まりの終わり 終わりの始まり
『ん…』
ふと目が覚め、私は体を起こす。先程まで重かった体も睡眠を取ったおかげかだいぶ楽になっていた。壁に掛けられている時計を見ると眠りについてから40分程時間が経っていて、私は喉の乾きを感じて水を飲もうとするがタイミングが悪いことに水差しの中の水が無くなっていた。私は執事の内村さんを呼んだが丁度居ないようだったのでベッドから出て、自分で水を汲みに行く。
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水を汲む為に少し歩くととある部屋から話し声が聞こえてきた。その部屋に近づくと聞きなれた声がして耳をすますと相澤先生とオールマイト先生の話声だった。丁度、家庭訪問の最中のようだ。私は邪魔をしないように部屋を通り過ぎようとしたその時、会話の内容が耳に入る。
「…あの本当に入寮の許可を頂いても大丈夫でしょうか?一応、娘さん…百さんはヴィランに怪我を負わされ、言さんは攫われていますが…」
「ああ、大丈夫さ。正直この家にいるよりもプロヒーローが多く居る雄英高校の寮で暮らした方が今は安全だと思うしね」
「そうね〜でも百さんや言さんがお家に居なくなるのは寂しいわぁ…」
私はお父様とお母様の言葉に胸が暖かくなる。
しかし、その時─────
「仕方ないさ…それに元々言には近々この家から出て行ってもらう予定だったしね」
お父様から耳を疑う言葉が発せられ、私はその場に立ち尽くす。
(お父様は、何を言っているの…?)
───私をこの家から出て行かせる?何それ…どういうこと?
私は混乱する脳内で一生懸命考えながらお父様の言葉の意味を理解しようとした。
「それはどのような意味で…」
「言葉の通りです。言には近々私たちとは違う”家族”と暮らしてもらう予定でして。ですが全寮制ならその必要もないので」
お父様のその言葉で私は完全に頭が真っ白になる
何…それ…
私たちとは違う家族って何?家族は…お父様・お母様・百ちゃん…そして私でしょ…?
お父様は何を言ってるの?
どうして私だけが他の人と暮らすことになっているの?
私そんなの聞いてないよ…