第23章 神野の悪夢
『んっ……あっ………ん』
言の言葉を塞ぐように深く深く口付けをする。初めての感覚だった。熱を帯びた舌が絡まり合って上手く息が出来ない。自分から出てくる知らない甘い声と病室に響く水音。恥ずかしさと困惑で自然と涙が出てきて、どうしていいか分からず縋るようにホークスの背中に手を回した。
『……んぁ……んっ…!』
そして初めての大人のキスに息の吸い方など分かるわけもない言は息の限界が来てそれを知らせるためにホークスの背中をトントンと叩いた。それに気づいたホークスはゆっくりと唇を離した。
『ホ…ー…クス…さん』
唇を一度離すと、肩で息をしながらとろんとした瞳で見つめてくる言。そんな姿で名前を呼ばれたホークスは歯止めが効かなくなったのか床にしゃがみこんでいた彼女を軽々と抱き上げてベッドに寝かせ、覆いかぶさってまた深いキス注いだ。
『え?!ホークスさ…ふっ……んん……んあ……』
流されるままにホークスに身を委ねる言。本来であれば怒るべきなのだろう、でも深く口付けをされる度に脳がとろけていくような感覚に陥って何かを考えることが出来なかった。そして先程まで自分の心を埋めつくしていた負の感情も薄れていた。