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【ヒロアカ】folklore

第22章 途方もない悪意



補習部屋の前に着くと扉の前にはブラド先生が仁王立ちで立っていた。私たちは部屋の中に入り、飯田くんがブラド先生に何があったかを説明していたその時マンダレイさんからのテレパスが入る。


《A組B組総員…戦闘を許可する!ヴィランの狙いの1つ判明!生徒の「かっちゃん」と「言さん」!2人はなるべく戦闘を避けて!!単独では動かないこと!!わかった?!2人とも!!》


「誰だよ!」

「爆豪と言…!?」

「え?!何で2人が!」


マンダレイさんのテレパスでそう伝えられた後、部屋にいた物間さん以外の皆が一斉に私に視線を向ける。


『…なんで……』


────血の気が引く音がした。足が竦む…目の前が真っ暗になりそう…なんで?どうして私と爆豪くんが……A組やB組の皆は?緑谷くん絶対に無茶してるよね。お茶子ちゃんや百ちゃんは無事?怪我とかしてたらどうしよう。私ここにいたままでいいの?皆を助けに行かなきゃ、こういう時こそ私の個性が役に立つ時だよね?でもヴィランの狙いは私だし…ならここにいる他の皆が危ないのでは?どこか別の場所に。あぁどうすればいいの?嫌だ、怖い。誰か……


頭の中は恐怖や焦り、疑問や心配などの様々な感情が入り乱れ自我を持つのがやっとの状態だ。私は震える体を落ち着かせるように胸の前で手を握り、頭の中で渦巻く嫌な感情に目を背けるように瞼をギュッと閉じた。



そんな時────



「言、大丈夫だ。落ち着け」



冷たく震える手を暖かい太陽のような手で包み込んでくれる鋭児郎。凛としたその声と真っ直ぐ私を見据えたその視線は不安定になった私の心を落ち着かせるには十分なものだった。


『……ありがとう、鋭児郎』


鋭児郎の言葉で体の震えが少し収まった私はより安らぎを求めるかのように握られた鋭児郎の手にコツンと額をあてた。





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