第21章 林間合宿
夜が明けて林間合宿3日目。本日も辛く厳しい個性伸ばしの訓練は続いていたが私は昨日の夜のこともあり、仲間であり友人でもある皆と一緒に切磋琢磨し合えているのだと思うと辛い特訓も乗り切ることができた。そして訓練の後は夕飯の肉じゃがを作って食し、プッシーキャッツさんが企画していたA組対B組のクラス対抗肝試し大会が始まった。ただ悲しいことに肝試しを何より楽しみにしていた補習組の人たちは補習授業が開催されるため相澤先生に捕縛武器で捕らえられ、無理矢理合宿所にへと引きづられていってしまった。
「はい、というわけで脅かす側先行はB組。A組は2人1組で3分置きに出発。ルートの真ん中に名前を書いたお札があるからそれを持って帰ること!」
「闇の狂宴…」
気を取り直しピクシーボブさんから肝試しのルール説明がされるが賑やかなメンバーが全員補習組なので私たちの間には神妙な空気が漂う。
「脅かす側は直接接触禁止で個性を使った脅かしネタを披露してくるよ」
「創意工夫でより多くの人数を失禁させたクラスが勝者だ」
虎さんは私たちに指を指しながらそう言う。
「やめて下さい汚い…」
「なるほど!競争させる事でアイデアを推敲させその結果個性に更なる幅が生まれるワケかさすが雄英!!」
ホラーの類が苦手な響香ちゃんは引き気味に呟き。飯田くんは今回の肝試しを色々と考え、都合のいいように解釈していた。その後、ペア決めの為くじ引きをして私は緑谷くんとペアになった。
『緑谷くんと一緒だ。緑谷くん怖いの大丈夫?私は大丈夫だよ』
「う、うん!ぼ、僕も大丈夫だよ」
緑谷くんとペアになれたことを喜んでいると、離れた場所で轟くんとペアになった爆豪くんが不満げな顔で尾白くんに話しかけていた。
「おい尻尾…代われ…!」
「青山オイラと代わってくれよ……」
峰田くんは百ちゃんとペアの青山くんにペアを代わってくれと頼んでいた。どうせ百ちゃんとペアになってどさくさにいかがわしい事をしようという魂胆だろう。呆れた私はそんな峰田くんに
『峰田くん。虎さん…呼ぶ?』
と肩を掴み半ば脅しのように言い放つ。そうすると峰田くんは一瞬で顔を青ざめ、首が引きちぎれるのではないかというぐらいのスピードで横に振った。
「俺は何なの…」
「ペアは決まったね!!じゃあクラス対抗肝試し開始!!」