第21章 林間合宿
確かにあまり人に話したくない内容ではあったが彼の行動は私のことを思っての行動だと、決して悪気があってやったのではないと重々理解していたので、私は重苦しい雰囲気にしないためにも彼に向けて感謝の気持ちを述べる。
『ううん。大丈夫!心配してくれたんだよね。ありがとう』
「そりゃ友達だからな」
『…友達?』
私は轟くんの口から出てきた思わぬ単語に目をぱちくりとさせ、首を捻って顎に手を当て悩む仕草をとる。
───友達。友達…私と彼は友達だったの…?まず友達の定義ってなんだろう。自分で言うのも悲しくなるが私は交友経験が全くと言っていいほどない。正直雄英に来て今お友達と呼べる人物はお茶子ちゃんと緑谷くんだけだと思っていた。決して他の人たちが嫌いとかそう言う事では無く、体育祭の件もあり私が彼ら彼女らを友達と言うにはまだ早いのかと自分で思い込んでいるからだ。
頭の中で思案し終わると大きく開いた瞳は轟くんの瞳と重なり、彼は少しの間を置いて唇を動かした。
「……もしかして俺ら友達じゃねぇのか」
戸惑いの表情を浮かべた私を見て轟くんは珍しくショックを受けた姿を見せる。私はそんな彼の反応に慌てながら自分の心内をさらけ出した。
『いや、違くて!私、今までお友達とかあんまりいなくて…まともにお友達って呼べるのも多分雄英に来て初めてお茶子ちゃんや緑谷くんだけだと思ってたから……』