第21章 林間合宿
『恥ずかしい…』
私は今にでも顔から火が出る勢いで赤く火照った顔を隠すように両手で覆い下を向いた。しかしお茶子ちゃんが追い討ちをかけるように話を続ける。
「でも、意外と轟くんもありえるよね!?今日言ちゃんが具合悪い時に肩貸して上げてたよ!!」
「確かに…!クラス屈指のイケメンを忘れてたぞ!」
「轟というとあの紅白髪のか」
「ん」
続々と出てくる恋の話題に私の恥ずかしさゲージは限界突破寸前だ。
「てか思い出したけど言期末試験後のデートって……」
『そ、そういえば!響香ちゃんも電気とよく一緒にいるよね!?』
私はこれ以上の恋バナは心が持たないと思い、響香ちゃんを生贄に話題の矛先を変える。
「は?!ウチ?!」
私は驚いた表情を見せる響香ちゃんに向けて申し訳なさそうに手を合わせた。
「……あー、まぁアイツはしゃべりやすいけどさチャラいじゃん。絶対浮気する」
響香ちゃんは頭を掻きながら仕方ないなという顔をして恋バナの話題の矛先を渋々受け入れてくれた。本当に響香ちゃんには感謝しかない。
(響香ちゃんありがとう~…!!)
その後、彼氏にするなら誰がいい?や1日入れ替わるなら誰?理想のタイプの話などをして盛り上がった。みんなの話は少し下世話で、だいぶ辛辣でそれでいて愛嬌に満ちていた。そんな布団の上の女子会は三奈ちゃんが補習に行くまで続いた。