第21章 林間合宿
『わ、私!?しかも爆豪くん!!?』
予期していなかった話題振りに私は目を見開き、慌ただしく自分を指さした。
「そーいえばそうだよね!」
「どうなの?!どうなの?!」
三奈ちゃんと透ちゃんが興奮気味に私に詰寄る。
『いやぁ、爆豪くんをそういう風に見たことはないかな』
「ほんとぉ~?怪しいなぁ…」
場の雰囲気に慣れてきたのか先程まで遠慮しがちだった響香ちゃんも楽しそうに私を小突く。
『んん…で、でもカッコイイなーって思う事はあるよ』
あまりはぐらかしすぎるのも逆効果なのかなと思ったので、自身の指を膝上で絡ませながら小恥ずかし気にそう言うと
「どんなとこ!?どんなとこ?!」
「気になるー!」
「ケロ」
「やっと恋バナらしくなってきたー!」
A組女子たちは食い気味に声を上げた。
「まぁ……」
「爆豪ってあの体育祭1位の?」
「ん」
そしてB組の女子たちはあまり面識のない爆豪くんの名前を聞いて何となくの彼を頭で想像する。
『あ、いや…ほらUSJ前に学校中で警報がなった時があったじゃん』
「うんうん、あったねー!」
「それでそれで!」
『そ、それで爆豪くんがなだれ込んできた人から私を守ってくれてその時とかはかっこよかったなーって…』
みんなが輝いた目で真剣に聞いてくるものだから私は話す度に気恥ずかしくなってくる。
「ひゃー、爆豪くんでもそんなことあるんやね!!」
「見直したわ」
「それでしたら切島さんは体育祭の時、飛んできた瓦礫から言を庇ってましたわよね」
「確かに言ちゃん、切島くんとも結構仲良いよね!名前で呼びあってるし!」
「ほほう…切島とはお目が高い。それでどうなんだい言さんやぁ」
次は鋭児郎の話になり、特に鋭児郎と同中の三奈ちゃんは誰よりも興味津々だった。それ故にか彼女の話の探り方がなんだか悪代官みたいな感じになっている……
『鋭児郎の方は体育祭の後、街中に出掛けた時にナンパから助けてくれて……カッコよかったと言うよりかは優しいなぁって』
「切島やるうー!」
「さすが漢気あふれる男だね!」