第21章 林間合宿
「合宿はもう始まっている」その相澤先生の言葉を皮切りにパーキングエリアの地面が一斉に盛り上がり、私たちは下の森にへと投げ出される。
「私有地につき個性の使用は自由だよ!今から3時間!自分の足で施設までおいでませ!この…”魔獣の森”を抜けて!!」
パーキングから投げ出された私たちに向けて声を張り上げマンダレイさんがそう言った。
「”魔獣の森”…!?」
「なんだそのドラクエめいた名称は…」
確かに視界の先に広がる森は禍々しさで溢れかえっており、如何にもモンスターが出現しそうな雰囲気を醸し出していた。そして土流から抜け出しそんな話をしていると怪しげな森の木の影から「ぬっ…」と見たことも無い恐ろしい生物が現れた。
「「マジュウだー!!?」」
突然の魔獣の登場に声を揃えて驚く瀬呂くんと電気。
「静まりなさい獣よ、下がるのです」
「口田!!」
誰よりも早く動物を従える個性を持った口田くんが魔獣を宥めようと前に出るがどうやら個性は魔獣には通じていないようだった。よく見ると魔獣は土で出来ていた。
『とりあえず倒す以外の選択肢は無いよねってことで……[凍]!』
私は魔獣に向けて個性を使い魔獣の足を凍らせるが威力が足りず、今にも魔獣の足元を覆った氷が崩れそうだった。
「カバーする」
『轟くん、ありがとう!』
そこに轟くんの個性も加わり魔獣の足を完全に凍らせることが出来た。
「レシプロバースト!!」
「死ねやあ!!!」
そして飯田くんと爆豪くんが魔獣の腕を破壊し
「スマァッシュ!!」
緑谷くんが魔獣にトドメをさした。
「あの魔獣を瞬殺かよ!」
「やったな!」
「流石だぜ爆豪!」
「まだだ!」
喜びも束の間、森の奥から魔獣が無数に現れる。魔獣の中には空を飛べるものもいるようで私たちの上空を飛行していた。
「おいおい…いったい何匹いるんだぁ!?」
「どうする?逃げる?」
「冗談!12時までに施設に行かなきゃ昼飯抜きだぜ!」
「なら!ここを突破して最短ルートで施設を目指すしかありませんわ!」
「ケロ!」
「よし、いくぞA組!!」
「「おお!!」」
飯田くんの掛け声で私たちは一斉に森の中にへと突き進みクラス一丸となって魔獣を倒しながら合宿施設へと向かった。