第20章 2人の英雄
その後、麗日の肩を借りて立ち上がった言。すると突然、セントラルタワーの床や壁などが歪な音を立てて剥がれ始めたのだ。
「なんだ…?!建物が崩れ始めてるぞ!」
「上に向かって集まってやがる…!」
「デクくん…!」
無理やり引き剥がされた建物の瓦礫は最上階にへと吸い寄せられているようで、麗日は心配そうに上を見上げて緑谷の名前を呼んだ。
『もう警備システムは解除されたからあれで上に行けるはず』
言視線の先にはエレベーターが設置されており、警備システムも解除されヴィランの監視の心配も無くなった今なら使えると考え、皆にエレベーターを使って上に行くことを提案する。
「エレベーターか…!おい、半分野郎。丸顔。クソ髪。あれに乗って上行くぞ!!』
「なるほどな」
「言ちゃん歩ける?」
『うん大丈夫。ありがとうお茶子ちゃん』
「おうよぉ!!」
そうして言たちはエレベーターに乗って最上階へ向かった。またエレベーターの中で百たちと合流。そして最上階に着くとオールマイトがヴィランの絶え間ない攻撃に必死に耐えている姿があった。ヴィランがオールマイトにトドメをさそうと金属の塊がオールマイトに向いた瞬間に轟の個性でヴィランの攻撃を打ち止める。
「くたばりやがれぇぇ!!」
すかさず爆豪も大きな爆発音をたたせながらヴィランに向けて攻撃するが、個性の限界が近いのか痛みに耐えるように手を抑えた。
「っ…あんなクソだせぇラスボスに何やられてんだよ!えぇ?!オールマイトォ!」
しかしそれでも爆豪は不敵な笑みを浮かべながらオールマイトに向かって言葉を投げかけた。