第20章 2人の英雄
爆豪と轟はその後もヴィランと交戦を続け、最終的に爆豪のハウザーインパクトとその爆豪から出たニトロの汗を轟の炎で爆破させることでヴィランを倒すことが出来た。
「切島!!」
「無事か?」
そして切島の無事を確かめるべく心配しながら駆け寄ってくる爆豪と轟。言に介抱された切島は特に大きな怪我もなさそうで少し服が汚れてしまった位であった。
『うん、怪我はなさそう』
「それなら良かった」
「おう!おめェらもな!」
「ケッ………あんがとよ……」
轟たちに向けて元気に返事を返しながら立ち上がる切島を見る前に、爆豪は背を向けて歩き出す。すると爆豪はふと足を止めて自分を捨て身で庇った切島にぎこちなくお礼を言った。
「んだよらしくねぇ!気にすんな!!」
「してねぇわ!」
屈託なく笑う切島といつもの調子で吠える爆豪。そんないつも通りの光景に一段落ついたとばかりに轟が声をかけた。
「よし、緑谷たちを追うぞ」
「命令すんな!!」
「っておいおい!言何してんの?!」
切島・爆豪・轟の3人の視線の先には倒れたヴィランの服の中を探っている言がいた。綺麗なドレス姿で先程倒したヴィランの体を漁る少女の姿はまさに異様で。その異様な光景に切島は大きくツッコミを入れた。
『え?何かいいものないかなって…』
「そんなリサイクルショップの品を漁るみたいに…」
『リサイクルショップって何?』
「すんませんした」
「なぁ爆豪リサイクルショップって何だ」
「うるせ半分野郎黙ってろ」
そう言えばセレブだったと思い返し反射的に謝ってしまう切島。轟も同様に首を傾げたがややこしい事にならないようにと爆豪が一息で轟の質問にシャッターを下ろした。
「おい、そろそろ行くぞ」
そして気を取り直して緑谷達の後を追いかけるために走りだす。
「よし轟!詳しく教えてくれ!」
『いったい何があったの…』
言達が轟に事情を聞こうとした瞬間。目の前に数え切れないほどの赤い色をした警備ロボが現れる。
「ヤツら…本気になったようだな。説明はコイツらを倒した後でな」