第20章 2人の英雄
3人は言が先程指さした非常階段を使ってちゃんとした情報を掴むべく下層に降りている。しかしそんな中で切島に1つ言いたいことがあった言は頭を抱えながら口を開いた。
『ねぇ…鋭児郎、1つ言ってもいいかな…』
「なんだ?」
『どうやったら100階にまで迷い込むことが出来るの』
非常階段を降りる時に見た階数は100階。つまりセントラルタワーの半分だ。言は切島のあんまり過ぎる迷い方に思わずツッコミを入れてしまった。
「い、いや〜それは俺も不思議に思っていて…」
「とにクソほど使えねぇ」
「……すんません…」
爆豪にノンタイムで鞭を入れられた切島がシュンとした顔で謝る。そして言たちが降りていた非常階段だが途中で警備システムにより封鎖されおり、これ以上先へは進めなくなっていた。
『とりあえず80階までは来たけどここから下は降りられないから他の非常階段を探そう』
言たちは80階の植物プラントエリアを通り他の非常階段を探そうとするが
「見つけたぞぉ!!クソガキども!!!」
目の前には防弾チョッキを身にまとった2人組の男が現れる。
「あ゙?!今なんつったテメェ…」
『ちょっと爆豪くん、警備の人かもしれないでしょ』
「お前らここで何をしている」
「そんなの俺が聞きてぇ…」
「ここは俺に任せろ!なっ?」
2人組に言い寄ってガンを飛ばす爆豪を切島が止めに入り、申し訳なさそうな表情を浮かべて男たちに近づいていく。
「あのぉ〜…俺ら道に迷ってしまって!レセプション会場ってどこに行けば…」
「見え透いた嘘を付いてんじゃねぇぞ!!!!」
切島が2人組の男に尋ねると、2人組の男の片方が突然切島に向けて個性を使い攻撃を仕掛けてくる。
「個性をっ…!!」
切島に個性が当たる。そう思った瞬間、目の前には切島を守るように大氷壁が出てきた。
「この個性は!!」
『轟くん!それに緑谷くんたちもどうして…』
大氷壁を作り出した正体は轟で、彼の他にも緑谷やメリッサたちもいた。
「俺たちで時間を稼ぐ。上に行く道を探せ!!」
轟はそう緑谷たちに言い放つと個性を使って氷柱を作り出し、その上に乗せた緑谷たちを上にへと押し上げた。