第4章 戦闘訓練のお時間
「敵の居場所は任せろ俺が見つける」
そう言って障子は自身の個性である”複製腕”を使い建物の入口でその複製腕を四方八方に動かしながら敵の居場所を探る。
「4階北側の広間に1人もう1人は同階のどこか…素足だな…透明の奴が伏兵として捕える係か」
『それなら私は個性を使って葉隠さんの方を…』
「いや、いい。外出てろ危ねぇから」
障子が敵の位置を把握したので言は尾白の相手を2人に任せ葉隠を捉える役を買って出ようとしたのだが轟にあっさりと却下されてしまった。
言と障子はそんな轟の発言に疑問を抱きつつ彼の言う通りに建物の外に出る。
「向こうは防衛戦のつもりだろうが…俺には関係ない」
轟がそう言うとビルがみるみると凍りついていく。そして敵チームがいる部屋に入ると足が完全に凍りついた尾白と葉隠がいた。尾白は轟の姿を見て体を動かそうとするが
「動いてもいいけど足の皮剥がれちゃ満足に戦えねえぞ」
とヒーローらしからぬ、さながら映画の悪役のようなセリフを口にした。これではどちらがヒーローかわかったものでは無いなと言は心の中で少し考えた。そんな轟の言葉を聞いて尾白は身の危険を感じ直ぐに体の動きを止める。
(百ちゃんから聞いてはいたけど凄いな轟さん…)
「ヒーローチームWIN!!」
「悪かったな」
「熱…!」
轟は個性を使って尾白の体に張っていた氷をゆっくりと溶かしていく。
(これが半冷半燃…)
「レベルが違いすぎた」
こうしてまさしく敵無しといった状態で勝利した言達のチームの戦闘訓練が終わりその後も他のチームの戦闘訓練が着々と進んだ。