第20章 2人の英雄
つい話に盛り上がってしまった言とメリッサはその話に置いてけぼりにされてしまった緑谷を見て我に返り2人して緑谷に頭を下げた。
その直後、麗日・耳郎・百の3人と遭遇しメリッサの提案でカフェでお茶をすることとなった。何やら緑谷は麗日たちにあらぬ誤解をされていたが何とかその誤解を解くことができ、I・アイランドのカフェの机で助かったと言わんばかりに息をついた。
「よ、よかった……誤解とけて……」
『お疲れ様だね』
そう言って笑い合う言と緑谷。すると「お待たせしました」と飲み物が置かれ、聞き覚えのある声に2人は顔を上げた。
「その声……か、上鳴くん!」
そこにはウエイター姿の上鳴と峰田がおり、そんな緑谷の驚く声に気がついた麗日たちも彼らの存在を認知する。その後、1年A組の委員長である飯田も登場し次は誰が現れるのだと皆が心の中で思っていると離れた場所から大きな爆発音が聞こえてきてもしやと思い、皆その音の正体を確かめるべくカフェを後にした。
到着したのはI・アイランドに設置されたアトラクション”ヴィラン・アタック”。ヴィランを模したロボットを次々と倒し、そのクリアタイムを競うというアトラクションだった。そしてオープン会場を見渡せる観客席に急いでやってきた言たちは目を凝らしアトラクションを見つめた。するとそのアトラクションに挑戦していたのは切島鋭児郎だった。そして次に現れたのは爆豪勝己。爆豪は目にも止まらぬスピードでロボットを倒していきクリアタイム15秒でトップに躍り出た。そんなトップになった爆豪だが物足りなさそうにふんと息をもらす。すると爆豪の耳には驚いたような切島の声が入ってくる。
「あれ?あそこにいるの緑谷じゃね?」
切島が見上げる先にいた緑谷。爆豪に見つかった緑谷はひきった笑みを見せた。そして爆豪は他には目もくれずに観客席にいる緑谷に向けてステージから爆速で飛び上がった。
「なんでテメーがここにいるんだぁ?!」
「や、やめようよかっちゃん。人が見ているから……」
「だからなんだっつーんだ!」
ところ構わず緑谷を威嚇する爆豪。そんな客席の柵越し引っ付く爆豪を見て言は声を掛けた。
『爆豪くん危ないよ』