第20章 2人の英雄
「…プッ……フフッ…」
暫くしてメリッサから笑みが零れ、釣られるようにデイヴも微笑んだ。
「ハハッ…紹介の必要は無いようだね」
『「ハッ!すいません!!」』
言と緑谷はハッと我に返りデイヴに向けて頭を下げた。
「いや、構わないよ!」
そんな年相応の反応をする2人を微笑ましく見つめていたオールマイト。しかし自身の体の異変に気が付き少し咳き込む。
「!……オールマイトとは久しぶりの再開だすまないが積もる話をさせてくれないか?」
そしてオールマイトの異変に気がついたデイヴは一瞬顔を顰め、メリッサたちに向けて席を外すように頼んだ。
「あっ、はい!是非どうぞ!!」
「メリッサ!彼らに I・エキスポを案内してあげなさい」
「分かったわパパ!」
『良いんですか?』
「未来のヒーローとご一緒出来るなんて光栄よ。行きましょ!」
「はい!よろしくお願いします!」
言と緑谷はメリッサについて行き、部屋を後にした。そしてセントラルタワーの広く長い通路を歩く。
「君たちのことなんて呼べばいい?緑谷くん?出久くん?八百万さん?言さん?」
「僕のことは……デクと呼んでください!」
『!…じゃあ私はミコトで』
「デク…ミコト…変わったニックネームね。私はメリッサでいいから!」
メリッサにとっては聞き馴染みのない名前だったが、2人が誇らしくその名前を紹介するのできっといい名前なのだろうと考えた。