第20章 2人の英雄
「わざわざ会いに来てやったぜ、デイヴ!!」
「どう、驚いた?!」
「あ、ああ…驚いたとも…!」
オールマイトは驚きのあまり気が抜けて床にへたりこんだメリッサの父を立ち上がらせる。
「お互いメリッサに感謝だな!しかし何年ぶりだ?!」
「やめてくれ…お互い考えたくないだろ歳のことは」
2人はそんな冗談を言って笑い合った。この会話だけで2人の仲の良さが手に取るように分かる。
「会えて嬉しいよ…デイヴ!」
「私もだ、オールマイト」
オールマイトとデイヴは会わなかった時間を埋めるように拳を合わせた。そしてオールマイトは部屋の入口で待っている言と緑谷にデイヴの紹介をしようとこちらを振り向く。すると先程までオールマイトの背中で隠れていたデイヴの顔が言たちから見えるようになる。
「緑谷少年!言少女!紹介しよう私の親友デヴィット・シールド…」
『「知ってます!!!!デヴィット・シールド博士!!!」』
言と緑谷は事前に打ち合わせでもしたかのようにオールマイトの話に被せて大きな声でオールマイトの親友兼メリッサの父の名前を呼んだ。
『ノーベル個性賞を受賞した個性研究のトップランナー!!』
「オールマイトのアメリカ時代の相棒で!オールマイトのヒーローコスチュームを制作した天才発明家!!」
興奮気味に話しながら2人はデヴィット博士に歩み寄る。
『まさか本物に会えるなんて…!大ファンです!!私本読みました。擦り切れるぐらい!』
「僕も大ファンです!会えて感激です!」
何処から出したのかは不明だが言はデヴィットが執筆した本を取り出し胸の前に持ち上げ、緑谷もオールマイトの相棒でもあったデヴィットとの出会いに喜びを見せた。そしてそんな言たちの怒涛の勢いに場の空気がシンと静まる。