第20章 2人の英雄
メリッサに連れられ到着したのはI・アイランドで一番高い建物でもあるセントラルタワーだ。そんなI・アイランドを見守るように聳え立っているセントラルタワーの研究施設に案内され、言たちはメリッサに「ここで待ってて」と告げられた。
(メリッサ・シールド……シールド……んー、どこかで聞いたような…)
(いやぁ、アイツと会うのは何年ぶりだろうか)
(オールマイトの古くからの親友…一体誰なんだろう…!!)
そんな部屋の前で待機命令を出された3人。言は頭の中で先ほどから何か引っ掛かっている事を復唱し、オールマイトは親友との再開を心待ちにし、緑谷はオールマイトの古くからの親友に会えるのだと胸を高鳴らせながら部屋の前で待ち侘びた。部屋の外から耳を立てるとメリッサは中で男性2人と話していた。顔はよく見えないが仲睦まじく話している様子を伺うと片方の男性はメリッサの父なのだろう。
「私ね、パパの研究が一段落したお祝いにある人に招待状を送ったの!」
「ある人?」
「パパの大好きな人よ!」
「オォ…?!」
メリッサの言葉の後にタイミング良く部屋の中に入っていくオールマイト。そんな思いもよらぬ客人の来訪にメリッサの父は目を見張り、驚いた表情を見せた。
「私がぁぁぁ、再開の感動に震えながら来た!!」
「トシ…!オールマイト……!!」
オールマイトはそう言ってメリッサの父に勢いよく抱きつきに行った。