第20章 2人の英雄
I・アイランド空港に到着。プライベートジェット機から降り、ヒーローコスチュームに身を包んだ言・緑谷・オールマイトの3人が空の長旅を終えて久しぶりに陸に足をつける。長い間同じ体勢をして座っていたので3人とも体をぐいっと伸ばし疲れを取り、動く歩道に乗って搭乗口を出る。
《只今より入国審査を開始します》
「いやぁ、緑谷少年も言少女も急な誘いだったのに来てくれてありがとうね!」
入国審査を受けながら言たちに向けて感謝の気持ちを述べるオールマイト。
「いえ!寧ろ誘ってもらってこっちの方が感謝しなきゃいけないと言うか…!!」
『それに準備もそんなにかからなかったので大丈夫ですよ』
───そう、昨日オールマイト先生にI・アイランドに行かないかと誘われた私は急いで家にへと帰り、直ぐに日本を発った。ちなみに準備の方は何故か家に帰ると完了されており、先に帰宅していた百ちゃんに何故準備が終わっているのかと問うと、百ちゃんもI・アイランドに行く予定だったそうで私と一緒に行こうとしていたらしい。お父様がI・エキスポのスポンサー企業の株を所有しておりオールマイト先生と同様に招待状が届いていたそうだ。オールマイト先生が現れる前に百ちゃんが言っていた”良い知らせ”とはこの事だったのだ。
私は百ちゃんに一緒に行けなくなってしまった事を謝罪して後日、百ちゃんたちと合流する約束を交わし家を出た。
《入国審査が完了しました。現在、I・アイランドではさまざまな研究、開発の成果を展示した博覧会、I・エキスポのプレオープン中です。招待状をお持ちであれば、ぜひお立ち寄りください》
入国審査が終了して歓迎するように開かれたゲートを通り、言たちはI・アイランドの中にへと足を踏み入れた。