第19章 エンカウンター
プールを見学をして数分経つと着替え終わった鋭児郎と爆豪くんがプールに到着。その直後、爆豪くんが緑谷くんに突っかかり何やかんやあって男子の中で誰が50mを1番早く泳ぎきれるかの勝負をすることになり、私たち女子組はその勝負の手伝いをしながら観戦することになった。
そして勝負は進み、決勝戦は緑谷くん・爆豪くん・轟くんの3人で行われる。ちなみに水泳勝負だと言うのにまともに泳いでいる人はほぼおらず。この3人の中でもしっかりと水中を泳いでゴールした人物は緑谷くんのみである。
(これなら普通の50m走でも大差ないのでは…?)
そんな疑問を抱いたが、泳がないことにツッコミは入れていても誰もこの水泳勝負自体にツッコミを入れないので私はその疑問を静かに封じ込めた。そして緑谷くん・爆豪くん・轟くんがスタート位置につき、飯田くんのスタート合図で3人が個性を使いスタートしようとした瞬間、一斉にプールの中にへと落ちていった。
「な、何だ?!」
「個性が消えた?!」
『個性が消えたと言うことは…』
薄々勘づいてはいたがその真相を確かめるべくプールの入口を見ると相澤先生が個性を使っていた。
「17:00。プールの使用時間がたった今終わった。早く家に帰れ」
「そんな先生!!」
「せっかくいい所なのにぃ!!」
電気と瀬呂くんが相澤先生に抗議しようとすると
「なんか言ったか…」
相澤先生は睨みをきかせて電気たちにそう言った。
「「何でもありません!!!」」
返す言葉も見当たらない彼らは慌ただしくプールから立ち退き、帰り支度を始める。こうして突然開かれた男子水泳50m競走は決着が着くことはなく幕を閉じた。