第19章 エンカウンター
プール後の帰り道、私は百ちゃんと肩を並べて夕焼けが綺麗な空を背景に会話を交えながら歩いていた。
「言今日はどうでした?」
『…まだ、水は怖いけれど皆が楽しそうで私も楽しかったよ』
「そうですか…いつか克服出来ると良いですわね…」
『うん。そうだね』
お互いに眉を少し下げながら視線を合わせ微笑むとそんな暗くなってしまった雰囲気を変えようとしたのか百ちゃんが話題を変えて話を始めた。
「そういえば言に良いお知らせがありますの!今から家に帰ったら…」
嬉々として百ちゃんが私に何かを伝えようとした時、遠くから聞き覚えのある声がしてきた。
「言少女がぁぁぁぁぁいた!!!」
遠くから走ってくる人物を確認する為に目を凝らしてよく見るとオールマイト先生が全速力でこちらへ走ってきていたのだ。
『「オールマイト先生?!」』
私たちは突然登場してきたオールマイト先生に声を上げて驚き、そんな私たちの目の前でオールマイト先生は急ブレーキをかけて止まった。
「やぁ!八百万シスターズ!!突然すまないが言少女に少し話があるんだがいいかな?」
「!…もちろんですわ!では言。私は先に帰りますね」
『あっ、百ちゃん!ありがとう!』
特に詮索することも無くすんなりと聞き入れ帰っていく百ちゃんに申し訳なさを感じながらお礼を伝えた後、オールマイト先生が口を開く。
「実は言少女にお知らせがあってね」
人差し指を口元に当てながら嬉しそうに話を進めるオールマイト先生。また彼の手元を見ると先程は気づかなかったが何故か大きなキャリーバックを持っていた。
「I・アイランド行かないかい?」
『I・アイランドってあの巨大移動人工都市の…!』
「ああそうさ!知り合いに招待状を頂いてね緑谷少年も一緒さ!もちろん遊びに行く訳ではなくて私の後継者緑谷少年に見識を深めてもらう為さ!そこで秘密を知っている君も一緒にどうかと思って」
『是非私もお供させてください!』
「それは良かった!じゃ家に帰ったらすぐに準備をしてくれ!」
『……え?!今から行くんですか?!!』
「ああそうさ!さぁ!急げよ!!」
『え、ええ───?!』