第19章 エンカウンター
「おら、下降りるぞ」
爆豪くんは私を部屋の外に投げたあと2分ほどで準備を済まし部屋から出てきた。
『う、うん』
部屋の前の廊下で体育座りをして待っていた私は、スタスタと階段を降りていく爆豪くんに追いつくために慌ててその場から立ち上がる。そして下に降りると鋭児郎がリビングでお茶を飲みながら私たちを待っていた。
「あれ、バクゴー起きたのか!はよっす!」
「はよっす。じゃねえんだよ!何で夏休みにもなっててめェに合わなきゃいけねんだよ!」
「まぁ落ち着けって!!学校のプール行こうぜ!!」
降りてきた私たちに気がついた鋭児郎は何食わぬ顔で挨拶を交わす。また、そんな鋭児郎を見て爆豪くんは彼に怒りをぶつけたが鋭児郎は気にしていないのかあっけらかんとした態度で爆豪くんをプールにへと誘った。
「誰がそんなとこ…」
「おいおい良いのかよ!クラスの男子皆集まって特訓してんだぞ!!緑谷や轟に先越されても良いのかよ!?」
「あ゙?行かねぇとは言ってねぇだろが!?」
プールに行かないと言おうとしていた爆豪くんだったが緑谷くんや轟くんに先を越されると言うワードを聞いて意見はくるりと反転。鋭児郎は圧倒いう間に爆豪くんを丸め込んでしまった。
(鋭児郎。爆豪くんの扱いに慣れてきてる…)
そんな鋭児郎の猛獣使いっぷりに感心していると光己さんが戻ってくる。
「あ!勝己やっと起きたのね。切島くんと言ちゃんが待っててくれたのよー」
「知っとるわババア!!」
「誰がババアだ!!ほんとにごめんなさいね〜。で?勝己あんた学校のプール行くの?」
「行くわボケ!!」
「あらそう。じゃあ切島くんと言ちゃん。勝己のことよろしくね〜!!」
「了解すっ!!」
『はい、お邪魔しました』
中々に濃ゆい家族関係を目の前で見せられたが爆豪くんの気の強さだったりは光己さん譲りなのだと1人で納得し、私たちは光己さんにお礼を言って爆豪くんの家を後にした。