第19章 エンカウンター
「おはようございますじゃねぇ。んでてめェがこんなとこいんだ」
寝起きの爆豪くんは朝から絶好調なようで、自身の体をベッドから起こすと私の頭を鷲掴みしながら尋問を始めた。
『いやぁ…それは流れで鋭児郎について来たら光己さんに無理矢理というかなんと言うか…』
私はここまでの経緯を言い訳苦しく爆豪くんに話した。
「あいつらっ……分かったからお前だけ先に部屋から出てろ」
『どうして?爆豪くんも一緒に行かないの?』
「あ゙…?どうしてって……」
目が覚めたのなら爆豪くんも一緒にもう1階に降りても大丈夫なのでは?と疑問に思い、その疑問を彼に投げ掛けるが何故か爆豪くんは一瞬固まりその後、ボソッと何かを呟いた。
『爆豪くん?』
「おめェよ、少しは危機感持てよ…ここ男の部屋だぞ、襲われてぇのかよっ」
『えっ……わっ!』
ため息をついた爆豪くんにそう言われ、私は彼が寝ていたベットの上に引っ張られる。そして爆豪くんが私の上に覆いかぶさり馬乗りの状態となる。
「物知りなてめェなら知ってると思ったんだけどなァ」
『ば、爆豪くん……?』
「夜間陰茎勃起現象…こう言えば分かるか?」
『え、あっ……!』
私は爆豪くんから放たれた言葉に戸惑いすぐに顔を赤らめる。夜間陰茎勃起現象。要は朝勃ちの事だ。
「それともなんだ、てめェが慰めてくれんのか?なぁ、言…」
『え、違っ…!んぁっ……!』
爆豪くんに耳元で囁かれ変な声が出てしまう。私は自身から出たとは思えない甘い声に驚き思わず両手で口を塞ぐ。恥ずかしさで潤う瞳が爆豪くんの瞳と交ざり合うと彼は少しだけ瞳孔を広げて口を開いた。
「!……冗談に決まってんだろ。はよ外出て待ってろ!!」
そう言って爆豪くんは私の上からすぐにどき、私を抱えて部屋の扉を開け部屋の外にへと投げた。
『?…何、今日の爆豪くん…』
部屋から投げ出され放心状態になる私。そう言いながらも爆豪くんの部屋の前で待つ私の心臓は未だにドキドキしたままだった。