第19章 エンカウンター
『ここだよね、爆豪くんのお部屋』
私は階段を昇って爆豪くんの部屋の前に到着し扉をノックする。が返事が無かったので一声をかけて静かに扉を開ける。
『し、失礼します』
恐る恐る部屋の中を覗くと中はちゃんと整理整頓された部屋で爆豪くんらしい部屋になっていた。そしてベッドの方に目を向けると爆豪くんはまだ寝ているようだった。
『爆豪くん。朝ですよー…』
私は爆豪くんが寝ているベッドの前にしゃがみこんで爆豪くんの肩を揺らすが彼が起きる気配はない。
『うーん…どうしよう。とりあえずもう一度肩揺らして』
「ん……」
『わっ』
私がもう一度肩を揺らそうとした瞬間に爆豪くんが寝返りをうった。突然の動きに私は思わず目を瞑り微かな違和感を覚えて目を開ける。すると私の目の前には
『ひゃっ……』
爆豪くんの顔があった。しかも爆豪くんが寝返りをうった時に彼の腕が私の首の後ろにまわされたので離れることが出来ない。
(近い……ど、どうしようこの体勢で爆豪くんが目を覚ましてしまうのが1番まずい。とりあえず起こさないようにこの腕をどかして……)
私が必死に平常心を保とうとそう心の中でブツブツと考えていると。
『おい、てめェ何してやがる』
起きて欲しくない事は何故だか起きてしまうようで私は壊れたロボットのようにギギと首を声が聞こえてきた方向に動かすと爆豪くんとしっかり目が合う。爆豪くんの顔を見た瞬間に私の顔は引き攣り、背中からは冷や汗が溢れ出る。
『お、おはようございます…爆豪くん』
とりあえず私は精一杯の作り笑顔で爆豪くんに挨拶をした。