第19章 エンカウンター
私と鋭児郎が大声で驚いた後、2人してソファから身を乗り出し光己さんに言い寄り始める。
『み、光己さん!な、何を…!?わ…私が爆豪くんのお嫁さん?!ないですよ!そんな事になったら私爆豪くんに爆破されちゃいます!』
「そんな事ないと思うわよ〜!それに光己さんじゃなくて”お母様”って呼んで」
慌てふためく私を見ながら光己さんはニヤニヤとした表情で今の現状を楽しんでいた。
「そ、そうっすよ!!言をよ、嫁なんて爆豪にはもったいねぇ!!」
「え?!切島くんもしかして!」
「あっ!いや、違くて!いや違くなくて!あ゙あ゙〜〜!!御手洗借ります!!!」
助け舟に入ったと思われた鋭児郎だが、光己さんが何かに勘づきそれを指摘すると顔を真っ赤に染めた彼は突然御手洗に行くといいだしてリビングから凄い勢いで出ていった。私は今の一瞬、鋭児郎と光己さんの間に何が起こったのか理解が出来ずに1人困惑した表情で首を傾げ黙っていた。
「やだぁ〜!言ちゃんモテモテ〜これは勝己もうかうかしてらんないわー!!」
『え?え?どういう事ですか??』
「ウフフ…言ちゃんがわからないなら内緒よ!」
一体どういう事かと首を捻っていると光己さんに肩を叩かれ、はぐらかされてしまった。
「あら!そんなこんなでもうこんな時間!勝己何時まで寝てんのかしら〜待っててね今すぐ起こしてくるから……」
壁に掛けられていた時計に目を通し光己さんが爆豪くんを起こしに行こうとした瞬間、タイミング悪くインターホンが鳴り響く。
「あらやだ、勝己起こさなくちゃいけないのに…そうだ言ちゃん勝己起こして来てくれる?未来のお嫁さんとしてね!ちなみに勝己の部屋は2階上がってすぐ右にある部屋だから!」
光己さんは私に断る隙を与えずに話を進め、話が終わるとウインクをしながら足早に玄関へと移動した。
『えぇ〜…お嫁さんって…』
私はそう呟きながら渋々爆豪くんの部屋へ足を向けた。