第19章 エンカウンター
光己さんに案内されて私たちは爆豪くんの家に上がらせて頂き、爆豪くんが起きるのを待つことになった。
「さぁさぁ、そこのソファに座って座って!今飲み物出すからね!」
『ありがとうございます』
「あざっす!今日めちゃくちゃ暑いので助かります!!」
私と鋭児郎は光己さんにお礼を言ってソファに腰をかける。そして光己さんは飲み物を準備し終わると、飲み物をテーブルに置いて私と鋭児郎の向かい側のソファに腰をかけた。
「そういえば切島くんは前から知っているけど隣の貴女は初めて見る顔ね。切島くんの彼女?」
「え?!いや!違います!!こいつは同じクラスの奴です!!」
鋭児郎は光己さんの言葉にドギマギしながら私の紹介をしてくれる。
『八百万言です。爆豪くんにはいつもお世話になっております』
「あー!言さん!!あれよね、体育祭で3位の!やだぁ、こんなに可愛らしい女の子が3位でしかも勝己といい勝負してたなんて〜!」
『いえいえ…そんな…』
私は光己さんの真っ直ぐすぎる言葉に少し照れ臭くなる。
「それにしても嬉しいわ〜!まさか勝己に2人もお友達が出来たなんて。あいつ口は悪いし態度も悪いじゃない?」
「ま、まぁ…」
「勝己はなまじ何でも出来ちゃうし能力も恵まれちまってさ。他所様からチヤホヤされてここまで来ちまった。薄っぺらいとこばっか誉められてさ……2人とも勝己には苦労してるでしょ」
光己さんは少し浮かない顔をしながら爆豪くんについて話して下さった。そして私はそんな光己さんの顔を見て思わず口を開く。
『確かに爆豪くんは口も態度も悪いです……』
(言、結構ガッツリ言うなぁ…)
『でも!彼の根がとってもいい人で…あのような言動はトップヒーローを誰よりも目指し、追い求めているからだと私は知っています…!だから大丈夫です』
「!…切島くん、この子……切島くんの彼女じゃないのよね」
「え?…まぁ、はい」
「なら大丈夫だわ!言さん。お嫁来ない?!貴女なら勝己を任せられるし。何より私、貴女のような娘が欲しいわ!」
『「えっ……ええ!?」』
光己さんの言葉に私と鋭児郎は部屋中に響き渡るほどの大声で吃驚した。