第4章 戦闘訓練のお時間
「いいかい?!状況設定は敵がアジトに”核兵器”を隠していてヒーローはそれを処理している!ヒーローは制限時間内に敵を捕まえるか核兵器を回収する事、敵は制限時間内まで核兵器を守るかヒーローを捕まえる事」
オールマイト先生はどこからか小さい紙を出して戦闘訓練の設定をつらつらと読み始めた。どうやら手にしている小さい紙はカンペのようだ。そして訓練の設定が中々にアメリカンな設定。やっぱりヒーローの本場アメリカにいた期間が長いから影響されているのかな。
「コンビ及び対戦相手はくじだ!」
そして事前に用意していたのかくじ引が入っているであろう箱をスッと出てきた。
「適当なのですか?!」
「プロは他事務所のヒーローと急造チームアップする事が多いしそういう事じゃないかな…」
「そうか…!先を見据えた計らい失礼致しました!」
「いいよ!!早くやろ!!」
オールマイト先生に言われた通りにくじを引き、私はBと書かれたボールを引き当てる。クラスの人を見渡すと私と同じボールのアルファベットを引いたのは轟さんと障子さんだった。
『よろしくね』
「あぁ」
「よろしく頼む」
軽く挨拶を済ませ終えた時、オールマイト先生が私たちの方に向かってに歩いて来る。
「さて!君たちのチームは3人チームになってしまったからハンデがつくよ!この2.5kgのリストウエイトを両足首に付けてくれ!」
そう言われてオールマイト先生からリストウエイトを受け取ると、手にした瞬間にずしりとリストウエイトの重さが伝わってくる。これを両足に付けて行動するとなるとかなり動きづらいだろう。
『合計で5kg…結構足にくるね』
「…この程度ならハンデにはならねぇな」
「何か策でもあるのか?」
「あぁ。まぁ策って程でもねぇけどな」
私と障子さん轟さんの意味ありげな発言に視線を合わせて目を丸くする。
「さぁ!最初の対戦相手はこいつらだ!!」
オールマイト先生が箱の中に手を入れてガサゴソと箱の中身を探りくじを引く。そして箱から出てきたくじには【A】【D】と書かれており、最初の対戦相手はAコンビが「ヒーロー」で緑谷・麗日チーム対Dコンビ「敵」の飯田・爆豪チームとなった。