第4章 戦闘訓練のお時間
皆それぞれのヒーローコスチュームに着替え、先程言われた通りグラウンド・βに集合した。
ちなみに私のヒーローコスチュームは機動性を重視した和服風になっている。色は白と青が基調で、青色の羽織の中には黒い長袖のネックインナーシャツと独特なデザインのショートパンツ。足には黒いナイロン製のニーハイと口が広い足袋と少し高さのある下駄を履いている。また、いつもはおろしている長い黒髪は高めの位置で髪を括りポニーテールにしている。
「わぁ!言ちゃんのコスチューム素敵!」
『ありがとう、お茶子ちゃんも似合ってるけど…なんか、パツパツだね…』
「そうなんよ〜もっと詳しく要望書に書けば良かった…」
「ヒーロー科最高」
「ええ!?」
体のラインがくっきりと見えるコスチュームを着たお茶子ちゃんは頭を掻きながら顔を赤らめた。そんな私たちの後ろで確か…峰田さんという人が親指を立ててそう呟いていた。
(昨日の個性把握テストの後に行った自己紹介のおかげで一応、顔と名前は一致できてるかな…)
「良いじゃないか皆カッコイイぜ!!」
オールマイト先生はコスチュームを着用した私たちを見渡すとそう言って親指を立てる。
「先生!ここは入試の演習場ですがまた市街地演習を行うのでしょうか?!」
ガシャンと音をたてて手を挙げたのは昨日の朝、爆豪さんと揉めていた人だった。確か名前は飯田天哉さんだったけ?思い出せば入試の時にも誰かを注意していたような…
「いいや!もう2歩先に踏み込む!屋内での”対人戦闘”訓練さ!!」
”敵組”と”ヒーロー組み”に別れての2対2の屋内戦。しかしこのクラスは奇数なので1つのチームだけ3人になるがそこは公平を期してハンデを付けるそうだ。そしてオールマイト先生の話が終わるとクラスの人達は一斉にオールマイト先生に質問を始める。
「勝敗のシステムはどうなります?」
「ブッ飛ばしてもいいんスか」
「また相澤先生みたいな除籍とかあるんですか…?」
「どのような分かれ方をすればよろしいですか」
「このマントヤバくない?」
最後のは質問ではなかったかな…
「んんん〜聖徳太子ィィ!!!」
オールマイト先生は皆の怒涛の質問攻めに拳を握りプルプルと腕を震わせた。
『オールマイト先生…大変そうだなぁ…』