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【ヒロアカ】folklore

第19章 エンカウンター



雄英高校は1学期の全過程を修了し夏休みに入った。
そして私は今、学校のプールにいる。


『暑っつい…』


プールサイドに照りつける陽射しを片腕で遮りながら天を見上げて憂鬱そうに呟いた。何故夏休みの日に学校のプールにいるのか。
それは少し時間を遡り一学期終業式後のこと…
A組の女子は私と百ちゃんの机の周りに集まって夏休みについての話をしていた。


「夏休みの間長期の外出を控えろ?!」


お茶子ちゃんの驚いた声が耳に入る。


「学校側からの要請だって」

「残念ですわ…両親とヴェネツィアに旅行に行く予定でしたのに…」

『ほんとに残念だよねコッレール博物館行きたかったなぁ…』

「ブルジョワやあー!」


私と百ちゃんがそう言うとお茶子ちゃんはゆっくりと後ろへ倒れた。


「せっかくおニューの水着買ったのにぃー」

「仕方ないよ、うちらは1度ヴィラン連合に襲われてるし」

「それでも遊びたい!どっか行きたいー!」

「だったら!夏休み学校のプールに集まらない?!」


三奈ちゃんが駄々をこね始めると透ちゃんが皆にプールに集まろうと提案する。そして私はその提案にピクリと眉を顰めた。


「そうね!学校のプールだったら先生も許可してくれると思うわ」

「いいね!お金もかかんないし!」

「家に閉じこもってるよりマシだー!」

「でしたら!私が学校側に許可を貰ってきますわ!」


皆、透ちゃんの提案に賛成のようで百ちゃんが張り切って職員室にプール使用の許可を取りに行こうとする。


「では言も一緒に行きましょう!」

『えっ!』


半ば百ちゃんに無理やり手を引かれて教室を出る。そして廊下を歩き始めると百ちゃんが優しい声色で声をかけてくる。


「まだ、水中は怖いですか…?」

『うん…やっぱり駄目だと思う…』


そう。私は水中が怖い。堪らなく。物心ついた頃から水の中が苦手で顔に水をつけるだけでパニックになるほどだ。だからそんな私の事情を知っている百ちゃんは気を使ってくれたようで、あのように上手く場を取り持ってくたのだろう。


「それなら仕方ないですね…皆さんには上手くお話しておきますのでその日はお家で好きなことでもしていてください」

『ありがとう百ちゃん…』






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