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【ヒロアカ】folklore

第18章 期末演習試験



(やはり、イレイザーヘッドの推測通りですね…)


セメントスは切島と砂糖の2人を相手にしながら、離れた場所で思考を巡らせている言を見てそう心の中で呟いた。


***


「セメントスの担当は切島・砂糖・言の3人でお願いしたいと思ってます」


期末試験が始まる数日前、1年生の授業を担当するプロヒーローが一斉に会議室に集められ、生徒達には内緒で会議が開かれていた。そして会議室には気だるげながらもどこか真剣な声色が混ざった相澤の声が響く。


「ほう…?その3人とはまた随分と意外な…」

「切島と砂糖の2人は完全近接型。そして個性の使用時間にも制限がある。今の2人ではまずハンデありだとしてもセメントスを攻略する事は不可能でしょう」

「なるほど、そこで言さんか」

「はい、近接・遠距離。とオールラウンダーな役割を担える彼女を組み込んで切島と砂糖の2人がどう動くのか。はたまた言がどう動くのか。そこを判断して頂きたい」

「言さんか、これはやりずらくなりそうだ」


セメントスは渡された資料を目に通しながら、頭の中で難航しそうな試験の情景を思い浮かべて眉を下げた。


「言は体育祭以降のステータスを見れば蛙吹と同様に欠点らしい欠点はない模範的な生徒です。1つウィークポイントを上げるとするのなら…優しすぎるところですかね」

「優しすぎる?」

「あいつは自分の意見をハッキリと言えるやつですがそれは自分が1番先に発言した時のみ。自分よりも先に意見が出されればその他の意見を尊重し、それに徹してサポートしようとする節があります。それが偏に悪いとは言わないですがこの先…プロを目指すのであればやはり自分で決めた判断で行動していかないと厳しくなる」

「確かに思い返せば体育祭でも騎馬戦のような集団戦よりも最終トーナメントでの1体1の個人戦の方が動けていましたね」

「と言う事で他のチームと違って3人態勢になりますがよろしくお願いします」


***


先日行われた会議の内容を思い出しながらセメントスは言を見据えて彼女がどう動くのか固唾を飲んで待ち侘びた。


(さぁ、貴女の判断でこの試験…大きく変わりますよ…!)





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