第18章 期末演習試験
スタートの合図と同時に私たちはセメントス先生を捕らえるために、先生が待ち構えている場所に向けて駆け出す。
『「!」』
すると地面からセメントス先生の個性で作られた壁が現れ、私たちはその壁を間一髪で避ける。そして砂糖くんはシュガーを飲み込んでパワーを上げ、鋭児郎は腕を硬化してセメントス先生に向かって一直線に走り出した。
『…っ待って2人とも!!』
流石に真正面からセメントス先生と対峙するのは個性の相性的にも分が悪すぎるので2人が正面からセメントス先生に攻撃するのを止めようとするが時すでに遅く、私の制止の声が届くことなく彼らは先に進んでいってしまった。
「やはり…正面から来ますか…!」
セメントス先生が地面に手をあてて個性を使い、鋭児郎と砂糖くんの前に無数の壁を作り出す。
「いくぞ砂糖ォ!!!」
「おうよ!!!」
自分達の前に作り出された無数の壁に臆することなく2人は素手で壁を殴り、壁を破壊し続けた。
「まだまだ…」
セメントス先生は余裕を持って無限に壁を作り続ける。私も2人をサポートするために先に進もうとしたが、2人が壊した壁の残骸で道を断たれ前に進むことが出来なくなる。
(このままじゃ駄目…!2人の個性には時間制限がある…対してこの市街地ステージ…セメントス先生は時間制限がない!時間が経てば経つほど…2人が不利になってしまう…!!)
山のように積もる瓦礫の残骸の隙間からセメントス先生と戦闘する2人を見て歯を食いしばる。私が2人にもっと意見を言えば…もっと早く止めていれば…と後悔を重ねていった。そして徐々にセメントス先生の作り出した壁が2人を囲い始める。
「だぁー!!ブッ壊しても、ブッ壊しても!壁生えてきやがる!!!」
「もう…ねむぅ…ねむい…」
「……っ!!個性が切れた!」
砂糖くんは個性を使いすぎてもう動けない状態で、鋭児郎も個性が限界に達し硬化が切れてしまう。
(どうする…!?どうするっ…!!)