第17章 知識を得た者
はしゃぐ言に背を押されファミレスに入る。アンティーク調の扉を開けるとカランと鈴の音がなり3人の入店を知らせる。その音に気がついた店員が厨房から駆けつけ「いらっしゃいませ。3名様ですね。お好きな席にお座り下さい」と慣れた口調で促す。店内を見渡すとまだお昼の時間でもないため人はほとんど見られなかった。そして3人は景色の良い窓側の4人席を選び、席の並びとしては切島と爆豪が隣同士で座り、言が反対側の席に1人で座る並びとなった。席に着くと勉強の準備をしながら3人の間に沈黙が走る。そして言が辺りを見渡しながらソワソワと落ち着かない様子で数回ほどチラチラと切島と爆豪に視線を送った。
「おい、なんであんなにソワソワしてんだよ!なんで俺らのことチラッチラッみてんだよ!!いい加減にしろって言えよ!」
言の意図が汲み取れない視線に我慢しかねた爆豪が彼女には聞こえないボリュームで切島に話しかける。
「言えるわけねぇだろ!あんなにわかりやすく可愛くプリプリしてたらよぉ!少しは考えろ!」
言に甘い切島は爆豪の命令に背こうとした。
「誰に指図してやがる!てめぇにだけ勉強教えねぇからな!!」
「それは困る!すまん爆豪!とりあえずなんであんなにソワソワしてんのか聞いてみるわ!!」
が、爆豪に痛い脅しをされ、切島は仕方なく言がソワソワしている理由を聞いてみることにした。
「おう聞け!!」
2人のコソコソ話が終わり切島は勇気を振り絞って言に声をかける。
「あ、あのぉ〜…言…」