第17章 知識を得た者
「ファミレスなんだけど…」
『”ファミレス”…!!本当に…!!?』
───”ファミレス”。その単語を耳にした瞬間に私は目を輝かせ鋭児郎に真偽を問う。ファミレスと言えばファーストフードとディナーレストランの中間的な形態のお店の事でファミリーレストランの略称。一般的にファミリー層をターゲットにしたレストランの業態だが、近年ではドリンクの飲み放題などの諸々のサービスを含めた値段のリーズナブルさから学生も利用するというあのファミレス!いつかは訪れて見たいと思っていたけれどまさかこんなにも早く足を運べる日が来るとは!
「おう!本当だぜ!!」
「……マジか」
爆豪はファミレスに行くと言った途端に、まるで海外旅行にでも行けるようになったのかというレベルで喜びの顔を見せる言に信じられないと言った顔を浮かべた。
『それなら早く行こ。ね!』
だが言はそんな爆豪の表情に目もくれず早くファミレスに行きたいと言う事だけが頭を埋め尽くし、爆豪と切島を急かす。
「なっ、だから言ったろ!」
「信じらんねぇ…」
「ま!いいから行こうぜ!」
喜びを顔を貼り付けた言を連れながら2人はファミレスにへと足を向けた。そして到着したのは一般市民であればよく利用する、赤と緑と白が基調となった看板が特徴の主にイタリア料理を提供するファミリーレストランだった。ここの店舗の外観は意外と凝られており、壁は白を基調とされ、扉はアンティーク調のダークブラウンで温かみのある扉。店の前に置かれたインテリアがまたオシャレな雰囲気を醸し出していて、本当にイタリアのレストランの雰囲気を味わえるような外観となっていた。
『これがファミレス…!』
言は初めて見るファミレスに店の前で目をキラキラと光らせた。
「うわっ、すっげーキラキラしてる…」
「こんなとこのどこがいいんだか…」
『鋭児郎、爆豪くん!早く入ろ!』