第17章 知識を得た者
期末テストが1週間前に迫ったその日の放課後、緑谷くんたちは昼休みに期末演習試験の内容をB組の人から聞いたようで演習内容は対ロボット実戦演習との事らしい。その試験内容に対人よりもロボットとの戦闘の方が向いている電気と三奈ちゃんが安堵の表情を浮かべたのだが、爆豪くんが余裕綽々な態度をとる2人にイラついたのか軽く噛みついていた。そしてその矛先は緑谷くんや轟くんへと向けられ、2人に宣戦布告を言いつけ乱暴に教室のドアを開けて帰って行った。あの時の爆豪くんは体育祭の前私に模擬戦を申し込んできた時の様子と似ていて…何かに焦っているようだった。
そして週末。一抹の不安は残りながらも爆豪くん、鋭児郎との勉強会の日だ。しかしどこで勉強するかは聞いてなくとりあえずは駅に集合と言う形になった。
『あっ、爆豪くん!鋭児郎!』
余裕を持って集合時間少し手前に駅に着いたのだが、爆豪くんと鋭児郎はそれよりも先に到着していたらしく、2人で会話をしながら私が来るのを待っていた。
『ごめんなさい!待たせちゃったよね』
肩にかけてある勉強道具が入った鞄を押さえながら2人が待つ場所へと走る。
「いや、俺ら今来たばっかだから大丈夫だぜ!」
「さっさと行くぞ」
鋭児郎は笑顔で大丈夫と、爆豪くんはぶっきらぼうではあるが私に気を使わせないような返事をしてくれる。
『ほんとにごめんね!それで今日はどこで勉強するの?』
「あれ?バクゴー言ってないのかよ!」
「別に言う程の場所じゃねえだろうが」
「いやいや、こいつかなり喜ぶぞ…」
「んなわけあるか!ガキじゃあるめぇ!!」
2人が私そっちのけでコソコソと話し出す。そして2人が話し終わると鋭児郎が後ろを振り向いて私に話しかける。
「言今日勉強する場所なんだけどさ…」