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【ヒロアカ】folklore

第17章 知識を得た者



「この人徳の差よ」


百ちゃん達の姿を見て中間テスト16位の鋭児郎が4位の爆豪くんを煽るように苦笑した。


「俺もあるわ!てめェ教え殺したろか!!」

「おお!頼む!」


意図的なのかそうでないのかは定かではないが、結果的に爆豪くんに勉強を教えて貰えることになった鋭児郎。何だかここ最近で爆豪くんの扱い方に慣れてきているようだ。


「あれ、てかヤオモモ家って事は言もいるってことじゃん?!」

「確かにそうじゃん!クラス1位だけではなく2位の方にまで教えていただけるなんて…神はまだ俺たちを見捨てちゃいなかった!!」


ハッとしたように三奈ちゃんは私の顔を見て瞳に期待の色を付けた。そして電気は天に感謝を込めるように自身の両手を握り合って教室の天井を見上げる。しかし私は彼らの期待に応える事は出来そうになかった。理由は幾つかあるが1番は百ちゃんの事だった。体育祭後から百ちゃんは明らかに自分に自信をなくしている。それもあって今この状況で私が百ちゃんと深く関わりすぎるのは良くないのだ。だから私は彼らに嘘をつく。


『…ごめんね。その日は私先約が…爆豪くんと一緒に勉強しようって決めてたからさ』

「…あ゙?」

(爆豪くんっ、お願い気づいて)


爆豪くんに話を合わせてもらうために私は必死にウインクをして彼にアイコンタクトを取るが、あからさま嫌そうな顔をされる。また、何故かは分からないが爆豪くんの隣にいた鋭児郎が驚いた表情を浮かべていた。


(これは、無理かも…)

「…そういうこった。アホ面はそのまま赤点でも取っちまえ」

「おぉ神よ……」


爆豪くんに私の想いは通じない。そう思った矢先、なんと爆豪くんが話を合わせてくれた。私は無言ではあるが爆豪くんに感謝の眼差しを送った。そして電気は赤点回避の希望の光が1つ消えたショックなのか大きく肩を落として床にへたり混んだ。


(爆豪くんっ、ありがとう!ありがとう!)

『詳しい予定はお昼に…!』

「おう」


私は皆に聞こえないように爆豪くんに耳打ちでそう伝えた。


「……まじか…」


そんな爆豪と言から少し離れた場所で切島は爆豪と言がいつの間にここまで親密になったのかと唖然とした表情でその場に立ち尽くし声を漏らした。





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