第17章 知識を得た者
その後、ワン・フォー・オールが大昔の悪の支配者の個性「オール・フォー・ワン」から成り立ったものだと…ワン・フォー・オールのオリジンをオールマイト先生が話して下さった。
そして今、その大昔の悪の支配者…オール・フォー・ワンの個性を所持する人物がヴィラン連合のプレーンとして再び動き出しているらしい。
「ワン・フォー・オールは言わばオール・フォー・ワンを倒す為受け継がれた力!君はいつか奴と…巨悪と対決しなければならない…かもしれない」
それはあまりにも高校1年生の少年が背負うには重く、酷な話であった。オールマイト先生でも倒せなかった恐ろしいヴィランと緑谷くんはこれから先対峙するかもしれない。そのこれから先がいつかは分からない。1年後、数年後…もしかしたら明日かもしれない。だけど緑谷くんは
「頑張ります…!!オールマイトの頼み…何が何でも応えます!あなたがいてくれれば僕は何でも出来る…出来そうな感じですから!」
両手の拳をギュッと握りしめてそう言いきった。あんなにも歩みを止めてしまいそうな辛い現実を突きつけられたのに、尚前を見据え先へ進む道を選んだ緑谷くん。私もそんな彼の姿に感化されるように息を飲み、声を上げた。
『………緑谷くん…オールマイト先生!私も何か出来ることがあれば何でもします!!』
オールマイト先生は私たちの言葉に目を開き、何か言いたげな表情をするが口をおさえ…言葉を飲み込むようにお礼を言った。