第17章 知識を得た者
「緑谷ー?!跳んでんのー!?言もー?!」
「骨折克服かよ!」
訓練で同じ組の芦戸と尾白も驚いているようだ。そして言は羽をより大きく羽ばたかせスピードを上げる。
『うん。いい感じ、このままゴールまで!』
そう考えていると目の前で緑谷が足を滑らせて落下して行った。
『緑谷くん?!!』
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
「フィニッーシュ!!ありがとう!そしておめでとう!」
1組目の訓練レースの決着がつき、オールマイト先生から1位になった景品なのかお礼が書かれたタスキを受け取る。
『ありがとうございます』
私はタスキを受け取りお礼を言うと、隣で倒れている緑谷くんに飯田くんと一緒に声を掛けた。
「緑谷くん大丈夫か?!」
『大丈夫?』
「う、うん…大丈夫…まだまだ学ぶことは多いよ…」
緑谷くんが倒れたまま、オールマイト先生は今回の講評を発表し始める。
「1番は言少女だったが皆、入学時より個性の使い方に幅が出てきたぞ!!この調子で期末テストへ向け準備を始めてくれ!!!」
「そっかもうすぐ期末か…」
『早いね』
講評が終わり、目前に迫った期末テストのことを思い出しながら見学場所へ戻ろうとすると、私と緑谷くんはオールマイト先生に小さな声で引き留められる。
「驚いたぜ、見違えたよ!」
そう言ってオールマイト先生はこっそりと左手の親指をたてる。
「この授業が終わったら私の元へ来なさい」
「?はい…」
「君に話さなければならない時がきた。私とワン・フォー・オールについて」
ちなみに私も秘密を知るものとして是非聞いていて欲しいとの事らしい。それにしても突然どうしたんだろう…オールマイト先生とワン・フォー・オールについての話だなんて…私は不安と疑問を抱きながら見学場所にへと足を向けた。