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【ヒロアカ】folklore

第16章 知識を得る者



「緑谷出久!まったく!おかげで減給と半年間の教育権剥奪だ。まァけっこうな情状酌量あってのこの結果だがな、とりあえず体が動いちまうようなところはお前そっくりだよ俊典!」


保須総合病院の電話機の前ではグラントリノが電話をしていた。相手が誰かは分からないが、話を聞くに彼は電話の相手に叱っているようだった。そして長々と話す彼の後ろからじっと彼を見つめる人影があった。彼を見つめるのはルーシー・ラング・ミラクラウス。個人の図書館を経営していて言の職場体験先の方だ。


「しっかり話しといた方がいいぞ………!」


グラントリノが電話相手と話し終わるかと思ったその時、ルーシーがグラントリノの前に現れる。


「グラントリノ、変わっておくれ」

「お、おう…」


グラントリノはルーシーの異様な圧に少し尻込みながら受話器を手渡す。


「こんにちはオールマイト。ルーシ・ラング・ミラクラウスです。そちらの生徒である八百万言を見させて頂いた…」


なんとグラントリノの電話相手は、あの平和の象徴オールマイトだった。


「ルーシーさん!グラントリノからお話は伺っております…!この度はうちの生徒がお世話になって…」


オールマイトは電話ごしからでも分かる程に丁寧な挨拶をする。


「あの子はいい子で助かるよ。オールマイト、あの子のこと頼むよ…」


ルーシーは少し間を取り、たったそれだけをオールマイトに伝える。


「…承知しました!」

「ならいい、グラントリノ返すよ」


ルーシーはオールマイトのその言葉に肩を撫で下ろし受話器をグラントリノに返す。


「おう、じゃあそういう事でなしっかりやれよ俊典」


そう言ってグラントリノは受話器を元の場所にへと戻す。


「急にどうした…お前があんな事を言うなんて」

「まぁ、色々あるんだよ…」


ルーシーは遠い目をしながらそう彼に伝える。


「…そうか」


グラントリノは深い事情があるのだろうとそれ以上は何も聞かないようにした。





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