第16章 知識を得る者
『ルーシーさんの所で学びました!座ってろって言われたのにごめんなさいでも緑谷くんが…!』
「あいつ…!とりあえずお前は市民の避難を!」
『はい!!』
「ガチ戦闘は何年ぶりかな。まったく、とんだ巻き添えだ!はっちゃけやがって!何だおまえ!?」
グラントリノの指示通り近くにいた市民の避難誘導を始めた言。しかしグラントリノと交戦していた脳無は標的をぐるりと変え言達に襲いかかろうとしてきた。
『あの脳無!見境なしにっ…!』
「やめとけ!この…!!」
市民を守ろうと戦闘態勢に入り個性を使おうとする言と助けに入ろうとするグラントリノ。しかし彼女達の目の前にいた脳無は突然、赤く燃え上がる灼熱の炎に包まれた。
「ヒーロー殺しを狙っていたんだが…タイミングの悪い奴だ。存じ上げませんがそこのご老人、俺に任せておけ」
「あ!あなたは!!マジ!?」
「なんでここに…!!」
そしてその炎を放った人物が現れると市民2人はその人物の姿を見て驚きの声を上げた。
「ヒーローだからさ」
「轟…いやエンデヴァーか」
そう、目の前にはNO.2ヒーローのエンデヴァーがいたのだ。
「あ゙…あ…」
脳無の体からは蒸気が発生していて痛がっているのか不気味に声を漏らしている。
「虚仮威しの低温とはいえ意識を保ったままでいられるのは初めてだな」
「あんた気をつけろ!こいつは…!!」
脳無はエンデヴァーに受けた炎を体に吸収し周りへと大きく放出した。
「なる程、吸収・放出か。だがダメージ有りとは…ザコ個性じゃないか!」
「……おかしいな…違うぞ轟こいつ個性を複数持ってる!!」