第16章 知識を得る者
言が着替え終わると丁度いいタイミングでグラントリノと緑谷が乗ったタクシーが図書館前に停車する。
「ほれ、言 丁度グラントリノ達が来たよ」
『はーい』
ヒーローコスチュームに着替えた言は急いで彼らが乗っているタクシーへと向かう。そして図書館の扉に手をかけた時
「いいじゃないか、似合ってるよ」
ルーシーは言のコスチュームを見て顎に手を当てながら褒め言葉を口にした。
『ありがとうございます。それでは、ルーシーさん行ってきます』
「あぁ、行ってきな」
元気よく図書館をあとにする言。目の前には緑谷とグラントリノが乗車しているタクシーが停まっており、扉を開けてお世辞にも座り心地が良いとは言えない座席に腰をかける。
『お待たせしました』
「言さん!」
「ほぅ、おめぇさんのコスチュームも中々良いじゃねえか」
『ありがとうございます。そう言えばヴィラン退治ってどこでするんですか?』
言はシートベルトを絞めながらグラントリノに問いかけた。
「渋谷だ」
『渋谷…なるほど都市部に行けばその分トラブルなども多いですもんね』
「そういうこった。渋谷には新幹線で行くからな」
『はい』