第3章 1年A組
相澤の個性把握テストで最下位の者は”除籍”という発言にクラスがどよめく。
「最下位除籍って…!入学初日ですよ!いや初日じゃなくても…理不尽すぎる!!」
「自然災害…大事故…身勝手な敵たち…いつどこから来るかわからない厄災日本は理不尽にまみれてるそういう理不尽を覆していくのがヒーロー」
相澤は先程のかきあげた髪をサッと下ろしながらそう話す。
「放課後マックで談笑したかったらお生憎。これから3年間雄英は全力で君たちに苦難を与え続ける”Puls Ultra”さ全力で乗り越えて来い」
相澤の言葉を聞いて気が引き締まったのかクラス全員の顔付きが変わった。
「さてデモンストレーションは終わり。こっからが本番だ」
***
第一種目の50m走や第二種目の握力測定など着々と個性把握テストが進んでいた。得意な種目がある者は好記録を叩き出したり苦手な種目は微妙な記録だったりと、皆自分が出せるできる限りの力で頑張っていた。
そんな中、百は男子にも引けを取らずトップに入れるであろう点数を幾つも叩き出していた。
「流石百ちゃん…」
──そう、百ちゃんは姉だから私よりも上なのだ。そうでなくてはいけない…
そして【第5種目:ボール投げ】
「セイ!!」
麗日が個性を使ってボールを投げかなりの時間が経つと計測器から判定が出る。計測器の表示には【∞】のマークが表示されていてまさかの記録にクラスの人達が声を上げる。
『凄いねお茶子ちゃん!』
「えへへ〜、まぁ得意分野だからね!ここで点数稼いどかんと!!」
『次は緑谷さんの番だね』
「うん…でもなんだか調子悪そうだよね」
──そう、緑谷さんはまだどのテストでも入試の時に見せた凄いパワーを見せていない。
「緑谷くんはこのままだとマズいぞ…?」
「ったりめーだ無個性のザコだぞ!」
爆豪は緑谷を指刺しながらそう言うと飯田は驚いた表情で彼に問いかける。
「無個性?!彼が入試時に何を成したか知らんのか?!」
「は?」
爆豪が飯田の発言に不機嫌そうに怒筋をたてながら声を漏らした時、ちょうど緑谷の順番が回ってきた。
『あっ、緑谷さん投げるよ』