第15章 職場体験開始
ルーシーについて行くと彼女は図書館の端にある扉の鍵を開け、その先には地下に続く階段が現れた。そして長い長い階段を降りると言の目の前には異様な光景が広がっていた。
『え……』
大きな部屋のど真ん中にぽつんと2m程のロココ調の本棚が立っていたのだ。そんな異様過ぎる部屋の内装に言は唖然としてその場に立ち尽くしてしまう。
『図書館の地下に本棚…?』
「希少本の中の希少本ばかりだツバとか飛ばすんじゃないよ、ほれ」
そういうとルーシーは言に向かって本棚にある本を取り出し乱雑に投げる。
(けっこう雑に扱っているような…)
「これとこれと…これもいいねあんた相当”読んできてる”顔だね」
『え、分かるんですか?』
「わかるさ、あんたくらいになると上の本だと満足しないだろう?」
そう言いながら、ルーシーは次々と言に本を渡し言の両手にはまるでタワーのように本が積み重なっていた。そんな本の重みにヨロヨロとしながらも何とか姿勢を保つ。
『まぁ…上の本とかはけっこう読んだことのあるものばかりでしたが…』
「こんなもんだね、戻るよ」
『あ、はい!』