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【ヒロアカ】folklore

第15章 職場体験開始



「グラントリノ、なんでよくわかんないのを連れてきたんだい」

「なんとなくだ。それよりホレ」


そう言うとグラントリノはルーシーに向かって乱暴に何かを投げる。しかし彼女はそれを軽々と受け止め自身の手にある物を見つめた。


「なんだいこのUSBメモリは」

「面白い映像が入ってるぞ、じゃあな」

「…………やれやれ」


不敵な笑みを浮かべて手をヒラヒラと振り去って行くグラントリノに呆れた表情を向けながらもUSBメモリをPCに差し込み映像を見始める。そしてPCに流れたのは体育祭で個性を使う言の映像だった。


《「【ショートカット】[カタパルト]!」》

《「[壁]!!」》

《「雨」》


「…へぇ……」


パソコンに映る映像を見て目を細めながらルーシーは片眼鏡をくいっと上げた。


***


用事を済ませたグラントリノが椅子にちょこんと腰掛けている言のもとに帰ってきた。


「言!待たせたな」

『いえ、大丈夫です』

「さっ、今日は帰るぞ!」

『え!?』


まだ何の用事も終えていない言にとってあまりにも衝撃的過ぎるグラントリノの発言。彼女はここが図書館だと言うことを忘れて大きな声を出す。そしてハッとしたように口を押さえて辺りを見回す。幸い図書館の中には誰もいなかったが育ちが良い彼女にとってこの行動は大きな失態。 言はやってしまったと心の中で後悔した。


「紹介したいやつは明日だ明日!今日は帰って飯食って寝る!!」

『えぇ〜…なんてマイペースな…』


言は小さな声でそう呟き渋々グラントリノの後を着いて行った。





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